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2010年 01月 04日
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
さて、年末に一志治夫著「魂の森を行け」を読みました。植物生態学者・宮脇昭を描いたノンフィクション。宮脇昭は「嗅いで、なめて、触って、調べろ」を合い言葉に日本全国をしらみつぶしに調べ尽くす徹底した現場調査と、ドイツ留学で身に付けた「潜在自然植生」の理論、この二つをを両輪として森の再生を実践し続けています。 宮脇は現在の日本の植生は本来あるべき姿ではない、と指摘する。 「日本の平地、丘陵、低山地の自然分布はほぼ、シイ、タブ、カシ類のように葉が厚く、光沢があり、冬も葉を落とさない常緑広葉樹林帯に属している。・・・にもかかわらず、日本の山林を覆っているのは、スギ、マツ、ヒノキ、カラマツといった針葉樹林である。元来、針葉樹林は広葉樹林の隙間に生育したにすぎなかった。しかし、江戸幕府、それ以降の政府による造林製作によって、スギ、マツ、ヒノキ、カラマツの植林が始まり、第二次世界大戦後は、カラマツ造林も含めてこれに一層の拍車がかかった。・・・」と。 そして宮脇が日本の森を再生していく上で注目するのが"鎮守の森"である。日本全国どこにでも土地の守り神としての神社があり、鎮守の森が存在していた。どこの家の近所にも、人間が簡単には踏み込んではいけない、簡単には手をつけてはいけない聖域があった。 誰も手をつけない場所だからこそここには、今でも宮脇が言うところの自然植生が存在している。本来あるべき木々−シイ・タブ・カシの類−が生きているのだ。 森を再生しようとするとき、宮脇は仲間を近くの神社に連れて行く。植えるべき品種を手っ取り早く納得させるためだ。そこに生きている木々をみれば目指すべき姿は一目瞭然なのである。 僕たちが今建築業界の中で日々扱っている木は、土台に桧・ヒバ・栂、柱に桧・杉、梁に米松、化粧材には桧・杉・松、がほとんどである。それも日本国内だけでなく外国からの輸入建材も含めて使用することが一般的である。また庭に植樹をする際、イメージ先行で軽やかな品種を選択する傾向にあるのも否めない。 建材の品種選択にはもちろんコスト/流通/構造強度/デザインの問題が大きく絡んでいるし、今後どんな材種を使っていくことが、環境にとって(あるいは総合的に)もっとも良い選択なのかは非常に難しいと思う。、、、が、建築を作る上で、木や森とつきあっている、あるいは、新たな環境作り出す仕事をしている、という観点からとらえる大きな視野を忘れてはいけない、と感じさせる一冊でした。 so1architect. 山崎壮一建築設計事務所ホームページ
by so1yamasaki
| 2010-01-04 12:26
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